
地震、大雨、台風。
ニュースで大きな災害を見るたびに、「もし今、自分の住んでいる地域で起きたら」と考えることがあります。
停電したらどうするか。
水道が止まったら。
真夏にエアコンが使えなくなったら。
そして、避難が必要になったら。
そんなことを考えていて、ふと思いました。
キャンプをしている人って、実はすでに結構な「防災装備」を持っているんじゃないか?
ランタン、寝袋、マット、バーナー、クーラーボックス、モバイルバッテリー。
普段はキャンプを楽しむための道具ですが、電気・ガス・水道が使えなくなった状況では、そのまま役立つものがたくさんあります。
ただし、キャンプ用品さえあれば防災は完璧、というわけでもありません。
そこで今回は、
「手持ちのキャンプ用品で何ができるのか?」
そして、
「キャンプ用品だけでは何が足りないのか?」
という視点から、災害への備えを一度整理してみたいと思います。
キャンプと防災は、実はかなり近い
キャンプでは普段の生活とは違い、
・家の照明がない
・家庭用コンセントがない
・冷蔵庫がない
・ベッドがない
・キッチンがない
といった環境で一晩、あるいは数日過ごします。
これって、規模こそ違いますが、災害によってライフラインが止まった状況と共通する部分があります。
もちろん、楽しいキャンプと実際の被災生活を同じものとして考えることはできません。
それでも、
「電気がない場所で明かりを確保する」
「限られた道具で食事をする」
「寝具のない場所で身体を休める」
といった経験や道具が役立つ可能性は十分あります。
キャンプを趣味にしている人は、防災用品をゼロからそろえるのではなく、まず家にあるキャンプ道具を確認するところから始めても良さそうです。
そのまま防災用品として使いやすいキャンプ道具
まずは、災害時にも比較的そのまま使いやすいものです。
LEDランタン・ヘッドライト
停電時、最初に困るもののひとつが「明かり」です。
キャンプ用のLEDランタンがあれば、部屋全体をある程度照らすことができます。
さらに個人的に重要だと思うのがヘッドライト。
両手を空けたまま使えるので、
・荷物を探す
・夜間に移動する
・料理する
・片付ける
といった場面で便利です。
普段使っていない場合でも、定期的に充電状態や電池を確認しておきたいところです。
モバイルバッテリー
スマートフォンは災害時にも、
・家族との連絡
・災害情報の確認
・避難場所の検索
・ライト
・地図
など、重要な役割を持ちます。
だからこそ、モバイルバッテリーはかなり重要。
キャンプや旅行用に持っている人も多いと思います。
ただ、持っているだけで充電が空では意味がないので、こちらも定期的に残量を確認しておきたいですね。
寝袋(シュラフ)
避難所や車内など、自宅のベッド以外で休む必要がある場合、キャンプ用の寝袋が役立つ可能性があります。
特に気温の低い時期は、身体を冷やさないことが重要です。
家族分の寝袋があるなら、それだけでもひとつの備えになります。
キャンプマット
個人的には、寝袋以上に忘れたくないのがマットです。
キャンプをしたことがある人なら分かると思いますが、地面に直接寝るのは想像以上につらいもの。
体育館など硬い床で休む場合にも、キャンプ用マットがあるだけで身体への負担はかなり変わります。
折りたたみ式、インフレーターマットなど、普段使っているものをすぐ取り出せる場所に置いておくと良さそうです。
クーラーボックス・保冷剤
停電すると冷蔵庫や冷凍庫も使えなくなります。
そんなとき、クーラーボックスと保冷剤があれば、食品などを一時的に保冷できます。
夏場のキャンプで使っている大型クーラーがあるなら、それも立派な防災用品になりそうです。
条件次第で役立つキャンプ用品
続いては便利ではあるものの、使い方や場所に注意したいものです。
キャンプ用バーナー・カセットコンロ
温かい食事を作ったり、お湯を沸かしたりできる火器は、ガスや電気が止まったときに便利です。
ただし重要なのが、
換気と使用場所。
キャンプ用バーナーや炭火などを、換気のできない室内やテント内で安易に使用するのは危険です。
一酸化炭素中毒や火災につながる可能性があります。
災害時だからこそ、普段以上に安全な使い方を意識したいところです。
ポータブル電源
最近のキャンプではポータブル電源を使う人も増えました。
スマートフォンや照明、小型家電などへ電力を供給できるため、停電時にも非常に心強い存在です。
ただし、
「防災のためだけに高価なポータブル電源を買う必要があるのか?」
については、少し冷静に考えてもいいと思います。
普段からキャンプや車中泊で使う人なら、防災にも使えるという意味で非常に相性の良いアイテム。
一方、普段まったく使わないのであれば、必要な電力量や用途を考えてから購入しても遅くありません。
テント・タープ
「災害時=テント」というイメージもありますが、必ずしも最優先ではないと思っています。
自宅が安全なら在宅避難になる可能性もありますし、避難所では自由にテントを張れるとは限りません。
一方で、
・庭
・安全が確保された屋外
・車と組み合わせた避難
などでは役立つ可能性があります。
「持っていれば絶対安心」というより、状況によって活躍する装備と考えておくのが良さそうです。
キャンプ用品だけでは足りないもの
ここが今回、一番大切だと思っているところです。
キャンプ用品をたくさん持っていても、それだけで災害への備えが完成するわけではありません。
飲料水
キャンプなら現地で水を確保できますが、災害時にはそうはいきません。
飲料水はキャンプ用品とは別に備蓄しておく必要があります。
料理や衛生面でも水は必要になるため、「飲む量だけ」で考えないことも大切です。
非常食
キャンプ用の食材は基本的に「これからキャンプに行く」と分かっているから準備できます。
災害は突然やってきます。
そのため、
・長期保存できる食品
・そのまま食べられる食品
・少ない水で食べられるもの
などを普段から備蓄しておく必要があります。
普段食べている食品を少し多めに買い、使ったら補充する「ローリングストック」も取り入れやすい方法です。
簡易トイレ
意外と見落としやすいのがトイレです。
断水した場合、家庭のトイレが普段通り使えるとは限りません。
キャンプ用品をいくら持っていても、簡易トイレを持っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
これはキャンプ用品とは別に準備しておきたい防災用品のひとつです。
救急用品・常備薬
ケガへの備えや、普段服用している薬もキャンプ道具だけではカバーできません。
救急セットを用意するとともに、自分や家族に必要なものを確認しておくことが大切です。
ラジオなどの情報収集手段
スマートフォンは便利ですが、通信障害やバッテリー切れの可能性もあります。
防災ラジオなど、スマートフォン以外から情報を得られる方法も検討しておくと安心です。
真夏の災害では「暑さ」への備えも必要
夏キャンプをしていると、暑さの怖さを感じることがあります。
そして真夏の災害で停電した場合、当然ながらエアコンも使えなくなります。
特に最近の夏は気温が非常に高く、
「水と食料があるから大丈夫」
だけでは十分ではない可能性があります。
・十分な飲料水
・保冷剤
・クーラーボックス
・冷却用品
・充電式扇風機
・ポータブル電源
など、暑さをしのぐ方法についても考えておきたいところです。
キャンプで行っている暑さ対策が、そのまま防災につながる部分もありそうです。
車にも最低限の防災用品を積んでおく
キャンプへ車で行く人なら、「車の防災」についても一度考えておきたいところです。
大雨や地震などで道路が通行できなくなり、車内で長時間待機する可能性もあります。
例えば、
・飲料水
・非常食
・モバイルバッテリー
・ライト
・簡易トイレ
・タオル
・防寒用品
など。
普段のキャンプ用品の一部と合わせて、最低限の備えを車に置いておくのも良さそうです。
ただし、真夏の車内は非常に高温になるため、食品・電池・バッテリー類などを常時積みっぱなしにする場合は、それぞれの保管条件を必ず確認しましょう。
キャンパーなら「防災用品を買う」前にキャンプ道具を確認してみよう
防災について考えると、
「あれも買わなきゃ」
「これも必要かも」
と、どんどん物が増えてしまいます。
でもキャンプを趣味にしている人なら、まずは家にある道具を一度並べてみると良いかもしれません。
ランタンがある。
寝袋がある。
マットもある。
クーラーボックスもある。
モバイルバッテリーもある。
そう考えると、すでに持っているものは意外と多いはずです。
そこから、
「災害時に足りないものだけを追加する」
という考え方なら、無駄な買い物も減らせます。
我が家でも一度、キャンプ道具を防災目線で見直してみようと思う
キャンプ用品は、基本的には遊ぶための道具です。
お気に入りのテントを張って。
ランタンを灯して。
外でご飯を作って。
寝袋に入って眠る。
そんな楽しい時間のために買ったものです。
でも、それらがいざというとき、自分や家族を守る道具になる可能性もあります。
最近の自然災害を見ながら、改めてそう感じました。
だから我が家でも、
「何を持っているのか」
「すぐ使える状態なのか」
「逆に何が足りないのか」
を一度確認してみようと思います。
キャンプ用品を買い足すというより、
今持っているキャンプ道具を、防災という視点でもう一度見てみる。
キャンパーにとっては、それが一番始めやすい災害への備えなのかもしれません。





